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純文学、ミステリ、SF、マンガ、オカルト等々、ジャンルを問わぬ乱読の末の読書日記です
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キン肉マンはⅡ世の世代になってから特に好きになったのだが、常々不思議に思っていたことがあった。


それは人気投票の結果である。


ロビンマスクやケビンマスク、あるいはジェイドやチェックメイトが上位にランクインするのは分るのである。だって、文句なしにビジュアル的にカッコいいからね。


問題はウォーズマンなのだ。


彼はレジェンド時代のキン肉マンの時代から、Ⅱ世の時代になってもまだまだ人気投票ではぶっちぎりで人気がある。


キン肉マン2世 究極の超人タッグ編 8 (8) (プレイボーイコミックス)
キン肉マン2世 究極の超人タッグ編 8 (8) (プレイボーイコミックス)



これはどうしたことなのだろうか? というのが酔勁の疑問であった。


確かにレジェンドの中ではビジュアル系と言えなくもないのだが、それをいったらテリーマンの方がカッコいいのでは? と思っていたのだが、先日ふと思い当たった。


キン肉マンは差別を扱ったマンガなのだ。


拙は、以前友人に話したことがある。ジェイドはドイツで差別されたけど、超人ていうだけで、そんなに差別するものだろうか? と。


すると、友人は言ったね。「じゃあ、スイケーはもし前からジェイドとかケビンが歩いてきたら怖くない?」って。


「たしかに怖いかもしれない……」


「ほら、一緒じゃん」


拙は言葉がなかった。そうなのだ。彼らは人間ではないという理由で、結婚には反対され、目の敵にされるような存在なのだ。そしてまた、肉屋のおばさんとおじさんに優しくされてうれしく思うような存在でもあるのだ。


それは多分、ウォーズマンにも当てはまるだろうということに思い当たった。それよりか、差別の度合いというものがあれば、ケビンやジェイドよりはひどかったのではないか。


人間ではない、超人ではあるけれど、それはロボット超人という特殊な超人である。Ⅱ世の時代になってからはイリューヒンとか人間的でない超人も増えてきたけれど、それでもやはりウォーズマンは違う。彼は年をとらないのだ。もしくはとても老いるのが遅い。


もともとスクリュードライバーという残虐この上ないやり方で、ラーメンマンを再起不能にさせるかもしれないというほどにしたのに、ウォーズマンは大変な人気を誇っている。


ロビンはウォーズマンとよくダッグを組んでいたけれど、それはロビンがウォーズマンとある種の悲しみを分かち合っていたからではないのか。


そして、21世紀のわれわれの心をウォーズマンがとらえるのには多分歴史性というものがある。


ロシアはもともと歴史的に見ても軍事大国であり、政治大国であった。そのロシアが革命というものを乗り越えてソビエト連邦というものを作り、それはアメリカ合衆国と世界を二分していた……かのように見えた。見えたと書いたのには理由があって、決して東西冷戦などというものはなかったと拙は考えるからだ。あれはドラマだったと思う。ずいぶん長い連載のドラマだったかもしれない。そのドラマの最中、人びとは真実を見ることを禁じられていた。なぜなら米ソ対立はゲームなのだ。そんなことはない!! という人は考えてみるといい。米ソの対立で得をした国はどこか? 目を開いてみればだれにでもわかる。そうなのだ。事実は冷酷だ。


そして、ソ連は再び瓦解する。ペレストロイカ後の動乱だ。ソ連から独立できた国々の人びとはうれしかったかもしれない。しかし……ウォーズマンはロシアの超人だ。祖国が瓦解していく。それまでの価値観や道徳観が覆される。それはあたかも1945年8月15日の日本のようだったろう。


ウォーズマンは多分己のレゾン=デートルを遅疑逡巡し、思惟し、そして呻吟したに違いない。


21世紀のわれわれの多くは知っているのだ。Ⅱ世の読者は知っているのだ、ソ連がロシアになったあの日のことを。だから、崩れたロシアの辿ってきた道とウォーズマンの辿ってきた道を重ね合わせることができる。それはある人は共感と呼ぶかもしれない。しかしそんな軽いものではないのだ。本来であるならば知ることのできない瓦解のカタルシスを拙はウォーズマンを通して知った。


ゆでたまご氏はそういう作家なのだ。たぶん日本にこのような才をもった漫画家は片手ほどもいないと思う。
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自己紹介:
年齢不明、性別不明、正体不明、意味不明のネコもといサル?
しかしギネスとバスペールエールをこよなく愛していることにウソ偽りはないが、コレステロール値を下げるため禁酒中。
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